保育士は転職すると給料や年収が下がる?参考データあり

収入が理由で転職を考えている保育士さんへ

保育士として今とは違う園に転職したいけれど、給与が下がるのは困る…と悩んでいる方も多いのではないでしょうか?

本記事では、自分の転職体験談を踏まえつつ、転職の待遇面でのメリット・デメリットを考えてみたいと思います。

保育業界に就職、転職をお考えの方はぜひご参照ください。

もくじ

日本は保育士の給料が安すぎる?

日本の保育士の給料は安い安いと以前から言われています。

欧米諸国では保育士はかなり経済的に保証された存在の仕事なので「日本の保育士の給料が安すぎる」という他の国々からの批判もあり、日本としても立場が悪いため給料の見直しもされているようです。

それでも、その程度は微々たるもので、まだまだ十分とは言えません。

仕事量に対して安すぎる給料

保育士の給料が安いと感じる要因には、仕事量の多さもあるかと思います。

実は、調べてみると最近の保育士の給料は女性の収入の平均とあまり変わらないという結果が出ています。

ただ、保育士という仕事は子どもの命を預かる仕事であり、子どもたちの成長にとって一番大事な時期である幼児期に関わる責任の重い仕事です。

保育時間外でも子どもや仕事のことを考えている時間も多いので、プライベートと仕事を分けるのが難しいこともしばしば…

その仕事の大変さが、給料に見合わないと感じるからこそ、

額面以上に「保育士は給料が安い」と感じるのではないでしょうか。

保育士の平均収入


内閣府や厚生労働省など公的機関の資料から、保育所の保育士さんの平均収入をご紹介します。

公立の保育所

職種公立
 常勤非常勤
施設長632,982円
推定年収:7,595,784円
主任保育士561,725円
推定年収:6,740,700円
257,531円
推定年収:3,090,372円
保育士303,113円
推定年収:3,637,356円
162,859円
推定年収:1,954,308円
保育補助者
(資格を有していない者)
148,720円
推定年収:1,784,640円
149,238円
推定年収:1,790,856円

私立の保育所

職種私立
 常勤非常勤
施設長565,895円
推定年収:6,790,740円
536,146円
推定年収:6,433,752円
主任保育士422,966円
推定年収:5,075,592円
344,103円
推定年収:4,129,236円
保育士301,823円
推定年収:3,621,876円
187,816円
推定年収:2,253,792円
保育補助者
(資格を有していない者)
223,584円
推定年収:2,683,008円
168,561円
推定年収:1,998,732円

※地域によって差があります
参考:令和元年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果

私の職場やお給料について

私は学校を卒業したての頃、私立の幼稚園に勤めていました。

体力仕事な上に上下関係も厳しく、サービス残業も当たり前。

ですが就職活動の時、3つ受けた幼稚園のうち、そこが一番給料の高い幼稚園でした。

たまたま合格したのがその幼稚園だっただけなのですが、他にも学校で幼稚園求人を探していても、その幼稚園ほどの高い給料の園はなかなかありませんでした。

私が受かった園はたまたま給料が高かったので、運が良かったと思います。

ですが、保育士全体の給料を平均的に見ると、大体が大卒初任給の平均よりかなり低い金額だった記憶があります。

保育士、幼稚園教諭になりたい!と夢見ていた学生たちにはそれほど気にならないかもしれませんが、これだけの仕事量でこの金額…

どう考えても見合いません。

さらに言うと、私の就職した園は初任給が高く、平均値に達していたと言いましたが、ここにも落とし穴があったのです。

初任給は良くても給料が上がらない!?

私が就職した保育園では初任給は高かったですが、そこから何年経ってもほぼ給料が上がらないのです。

一般企業に就職すると、10年も働けばそれなりに給料は上がっていくと思います。

が、私がいた園では、勤続10年以上の先輩先生も私たちとたいして変わらなかったそうです。

このように、私立で見合った給料を見込むのはなかなか難しいことがわかります。

仕事が大変な上に安月給では保育士、幼稚園教諭がどんどん仕事を離れていくわけです。

そんなわけで、保育業界は結構離職率が高いのではないでしょうか..とも思います

↓参考データ↓

常勤の保育士の離職率


保育士さんの離職率の参考データをご紹介します。

常勤保育士320,196人
離職者32,823人
離職率10.3%

引用元:「保育士等確保対策検討会」の第3回会議の公開資料である「保育士等における現状」のレポート

やはり「給料に不満がある」という理由で転職する人が多いようですね。

転職に踏み切ってからのこと

さて、ここまで書いてきたように、私も月収や年収に不満があった保育士の一人です。

意を決して転職活動を始めました。

その当初の心境はというと..

顔アイコン

給与が下がるのでは…。転職先が無いかも…。

…こんな不安でモヤモヤとしていました。

 

しかし、そんな不安は杞憂に終わります

給料は転職で上がった

新卒で地方の法人運営の保育園を退職しましたが、

転職エージェントなど色々なサービスを活用した成果か?

あっさりと同じく福祉法人が運営する大きな保育園に転職することができ、同時に給与はかなり上がりました

保育の転職エージェントを活用するメリット

保育の転職・就職活動においては、「なぜ転職したいのか」「転職してどうなりたいのか」といった気持ちを整理することが重要です。

ご自身の強みや経験を整理すれば自然と「どこに向かって動けばよいのか」見えてきます。

ただ、自分を客観的に分析したり、気持ちを言葉に変えるのは難しいですよね?

そんなときに役立つのが保育の転職活動を補助するエージェントです。

面接の対策までサポートしてくれるエージェントを選ぼう

面接で「言いたいことを言えなかった」という経験を、多くの就活者が経験します。

言わなくてもよい言葉を言ってしまい、どんどんポイントを下げてしまうケースもあります。

これを自分一人で改善するのは時間がかかるため、面接に苦手意識のある方は面接サポート(対策)までしてくれるエージェントを頼りましょう。

「長所、短所は何ですか?」「なぜ今の会社を出るんですか?」という質問に対する答えを、戦略を立て、自身の気持ちも乗る話の内容で作り込む事ができるようになるはずです。

モチベーションのコントロール

一人で転職活動をすると、結果がうまくいかないと自分で抱え込んでしまうことが多いです。

元気ややる気がなくなったり、誰かに励ましの言葉をかけてもらえなかったりすると、立ち上がれない人もいます。

こういう人に対しては、愚痴を聞いてくれる人がそばにいると良いですね。

諦めそうになったときにする励ましの言葉を掛けてくれたり、調子に乗ってしまっていて足元が見えていないときは、厳しく言ってくれる人がいれば理想的です。

目標に向かって一緒に走る仲間を作ったり、親身になって就活相談に乗ってくれる保育のエージェントを利用するのは良い選択だと思います。

転職給料比較表

↓給料の比較表を作ってみました。

月収年間ボーナス年収
転職前約18万円4.5か月分260万円
転職後約22万円2.5か月分300万円~

転職前最後の月給は約18万円(手取り15万円)ほどでした。

これは保育士の給与の中でも低い方だったと思います。

賞与は年に4.5か月分支給されましたが、年収にすると260万円ほどです。

転職後は月給は約22万円(手取り18万円)となり、手取り額3万円+に大きくステップアップできました!

賞与は年に2.5か月分で、転職して2ヶ月分少なくなりましたが、年収で見ると年収50万ほどアップとなりました。

自分としては納得の結果で、転職に成功できたと思っています。


ささき
(管理人)

このサイトでは、転職時に役立つ転職サイトをランキング形式で掲載中。

管理人が転職する時に検索魔と化し情報を調べまくった日々の集大成なので、自信を持ってオススメします笑。

ぜひ、ご覧ください!


転職サイト一覧


転職で給料アップに成功できた理由

なぜ転職で給料アップに成功できたのか?

これには、転職先でこれまでの保育経験が考慮されたことが大きかったと思います。

1からのスタートではなく、保育経験のある「即戦力の保育士」として給与を設定してもらえたので、初めから充実した給与を得ることができたのです。

また、保育業界に特化した転職・求人サイトを利用する事も重要。

自分の条件で求人情報を絞り込めるので、効率良く転職活動を進める事ができます。

転職後は、改めて自分の実力が正当に(給与として)評価され、給料を上げることに成功できました。

自分の実力であれば本来もらえるはずの「技能給」を、ちゃんと貰えるようになったのです。

これが年収に大きく響きましたね~。

公立の施設に就職できれば給料安定!?

すでにご存じの方も多いと思いますが、年収やお給料にこだわるのであれば公立の施設を目指したほうが良いと思います。

保育の現場で一番安定的に給料がもらえるのは公立だと思うので…。

公立ということは公務員になるということですね。

役所勤務の方達と給料的には変わらないので(男女の差もありません)私立に比べるとかなりいいと思います。

また、私立は有給休暇が取りにくいのに対し、市にもよりますが、大抵の公立保育園では有給取得が保証されていますし、産育休もきちんと取れたり、保育士を目指すのに公務員が人気があるのは頷けますね。

まとめ 少しでも給料が高い職場を目指すなら

  1. 私立は運営が大変なのもあり、給料は高く見込めない。
  2. お金で考えるなら公務員。(公立の施設を目指す)
  3. 運営が大変でない、私立の人気園も給料的には良くなる

これら額面の事に加えて、私個人的にはお金だけではなく、保育の内容も重要です。

子どもの育ちのためにより良い保育、遊びを考えている園は大体運営が厳しかったりするのですよね。

どちらを取るかは難しいところです。

保育の転職活動で結果を出す人の特徴

保育の転職で結果を出す人の特徴について、お話します!

  1. 精神的な安定感を重視する
  2. できるだけ一人で就活を進めない
  3. 自信を持って面接に挑む

これらがキーワードになります!

転職活動をすすめる中で一番大事なことは「精神的に余裕がある状態で活動すること」です。

また、そのような環境を自分で作ることが大切

というわけで、できる限り今の仕事をしながら転職活動を行う事をおすすめします。

そして、友人や先輩・保育の転職エージェントなど誰でも良いので、ある程度話ができる・コミュニケーションがとれる人をそばに置いておくことも大切。

孤独に転職活動をしていると、どんどんマイナスな方向に考えてしまう可能性があるのでご注意を!

離職をした後に転職活動をしようとしている人には、必ずこのことを守っていただきたいです。

精神状態が良ければ面接も上手くいく!

精神的に余裕があれば、自然と態度にも自信がにじみ出るもの。

例えば「当社で入社をして結果が出せますか?」「保育の1年3年5年...あなたはどういうキャリアイメージをしていますか?」と聞かれても、精神的に安定しているからこそ自信を持って自分の気持ちを伝えられます。

逆に、弱っていると「~と思います」「~になったらいいかなって考えます」など、言葉尻が弱くなります

その結果、面接官に「なんか、やる気ないよね…」と思わせてしまうことに繋がってしまうのでご注意を!

後は、面接や研修の際に気持ちを行動に変えてスパークさせることによって、「ぜひあなたと一緒に働きたい!」と思ってもらえるはず!

さいごに~これから転職される方へ~

全ての園がそれまでの保育経験を考慮して、充実した給与設定をしてくれるわけではありません。

転職先を探す時には、「経験考慮」という求人を探すことをオススメします。

ハローワークだけでなく、転職エージェントなども活用して「質と量」を重視した求人さがしに取り組みましょう。

保育の求人媒体の種類について

たくさんある求人媒体のそれぞれの特徴をざっくりとまとめてみました。

総合求人サイト
  • 転職を考えるすべての人
  • キーワード検索があるので、ある程度条件が絞られている人
保育の転職エージェント
  • 保育の転職の方向性に迷い、キャリアの相談に乗って欲しい人
  • 高度なキャリアがあり、非公開の求人情報を知りたい人
求人誌・求人チラシ
  • 勤務地を意識した転職活動をしたい人
転職イベント
  • 一度に、たくさんの企業研究がしたい人
  • 希望の企業を決める際、社員と直接話をして決めたい人
ハローワーク
  • 勤務地(地域)を意識した転職活動をしたい人
  • Uターンなどで、地域に密着した企業ではたらきたい人

(参考:森本 千賀子「マンガでわかる 成功する転職」)

管理人のおすすめは保育の転職エージェントです。

同業種の転職にも、他業種をチャレンジする場合にも気軽に活用でき、利用料金も無料です。

さらに、ハローワークでは出会えない「非公開求人」を取り扱っている保育のエージェントを活用すれば、転職できる企業の幅が大きく広がります。

これと「総合求人サイト」を組み合わせるのもおすすめ。いずれもウェブ上で効率よく転職活動を進めることが可能なので、相性が良いです。

保育の再就職、転職サイトランキング


最後の手段ですが、「自分で園を開園する」という思い切った選択肢も一応あります

そもそものお金がかかることはありますが、このご時世、保育は社会に不可欠な存在。

クラウドファンディングなどでお金を集めることもできるそうですよ。

自分の理想とする保育を掲げ、それに賛同してくれる人をたくさん得られれば年収、キャリア、保育と三拍子揃えられることも夢ではないのかもしれません。